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4番抜歯矯正をしたら「顔立ち」はどう変化する?

更新日:2024.8.1
更新日:2023.11.15

人中がトレンドワード?

非抜歯矯正をすると人中は伸びるのか?

4番抜歯の話に入る前に「人中」のついて考えてみたいと思います。

最近人中がトレンドワードらしいです。
一瞬自分には何のことだか分らなかったのですが、人中と言うのは短いと良くて長いとかっこ悪いという見解が一般的です。
「出っ歯を抜歯をしないで治すと人中が伸びてかっこ悪い顔立ちになる」といわれれることもありますが、はたして本当でしょうか?

この方は当院で非抜歯で治療た患者さんです。
人中は伸びてますか?
伸びていませんね。

基本的に機能矯正は所謂非抜歯矯正ではないわけですが、抜歯をしなければ変な顔になる、と言うのは4抜歯矯正をやっている先生が良く言われるなと思います。

矯正でよく出る話として

「抜かないで治すと口ゴボになる」、「抜かないとゴリラになる」。
歴史は繰り返すというのでしょうかね。

今度は
「人中が伸びて変な顔になる」。
なるほど。

症例の通り、当院の非抜歯矯正は4番抜歯をすることなく、また人中が伸びることなく治療可能ですので、人中が気になる方でも安心して治療を受けられるかと思います。

さて、閑話休題し本題に入ります。

4抜歯矯正をすると一般的にどんな顔になるか

4抜歯矯正をすると一般的にどんな顔になるのか気になりませんか?
一番典型的でわかりやすいのは、フィギアスケートの宮原智子選手のお顔ではないでしょうか。

宮原智子選手の顔立ちの変化

矯正後の宮原智子選手

何枚か拝借してきましたがいかがですか?
これでどう思われるかは皆さんひとりひとりの価値観ですから良いとか悪いとかは言いません。
確かに歯はきれいに並んでいます。

でもねぇ・・。

宮原智子選手が抜歯矯正をしなかったらどんな顔だったかは、今となってはわかりかねますのでそれが良かったかどうか自体が判断しかねます。

矯正中の宮原智子選手

これは矯正途上の写真で、おそらくこれから抜歯したスペースを閉じていくところだと思われますが、個人的感想を言えばこの時の笑顔のほうが好感がもてます。
これを崩さずに矯正できなかったのかなあと言う感想を抱きます。

篠原ともえさんの顔立ちの変化

さて矯正後顔の変化と言う事で私がとても強い印象を受けた方がいます。
昔バラドルとして一世を風靡した篠原ともえさんです。

その頃は個性的なファッションと八重歯、うるさいほどに元気なキャラクターが売り物で大人気でしたが、気が着くと全く姿を見なくなって(台湾事件がきっかけと言われています。)、ある日矯正治療をして別人のようになって出てきましたが、ただデザイナーとしての才能は本物のようで衣装デザインなどを手掛けられ、そのつながりか単発のゲストとしてちょいちょい見かけるようになっています。

矯正前の篠原ともえさん①

これが昔シノラーとして大人気だったころの写真です。

確かに歯並びは悪いですがそれが何?と思わせるほどの明るさのオーラが湧き出ていると感じます。

矯正後の篠原ともえさん①

そしてこちらが最近の写真です。

きれいになったという評判もあり見方によってはそうも見えますが、昔持っていたオーラはすっかり消えています。
またこれ40代後半だったら確かに歳相応と言えると思いますが30代半ばとしてはどうでしょう?

機能矯正の結果

この写真はライトのエフェクトが出て特徴をよく表していると思われる写真ですがしわが深いんですよね。

また写真はほとんど公開されていませんが横顔を見ると中顔面の委縮が痛々しいほどと観察てきて、これでは先ほどとは別に「歯並びがいいから何?」と言いたくなるほどと思います。

顔を委縮させてしまうと様々な健康への悪影響が出ます。
あまり公表されていませんが篠原さんも何かの症状を発症しているのでは?と考えられます。

矯正後の篠原ともえさん②

ところで次の写真をご覧ください。

機能矯正の結果

向かって右側の糸切り歯が変じゃありませんか?
なんと「つけ八重歯」です!
せっかく八重歯を取りたくて矯正をしたのにまた八重歯を着けるとはどういうことでしょうか?

八重歯が似合う日本人

日本人の丸っこい顔には八重歯がとても似合い、可愛いという代名詞が八重歯と重なっているほどです。
西洋人は八重歯を忌み嫌うのですが、西洋人の歯列と言うのはいわば横幅が狭く縦に長いものが多く、八重歯になってしまうと悪魔顔になってとても怖い顔になってしまうのです。
ですから西洋で生まれた4抜歯矯正は抜いた4番の位置に、糸切り歯を引き込むということが技の基幹になっています。

ところが日本人の歯列はどちらかというとおわん型で、八重歯になる人は糸切り歯の位置は正しいのに、その他の要素で歯列不正を起こしていることが多いのです。
このかわいいと思われる位置にあった糸切り歯を4の位置まで下げてしまうと、顔の印象が極端に変わってしまいます。
一般的には最初に出した宮原智子さんのような顔になります。

4抜歯矯正をしたい方は矯正で別人になりたいという希望の方がいると耳にしたことがあり、確かに過去を捨てて別人として生きたいなら4抜歯はありかなとも思います。

4抜歯矯正を受けた人の感想

SNS等でよく
「矯正治療で頬がこけた」
「顔だちが貧相になってしまった」
とか、逆に
「歯並びがきれいになってきれいになった」
などという書き込みを良く見かけます。

これは4抜歯矯正を受けた人のスレッドです。

当院の4抜歯矯正

機能矯正

当院の機能矯正

当院の矯正治療は何といっても予防抑制矯正つまり機能矯正です。
オーソトロピクスに近いですが、オーソトロピクスオリジナルとは少々異なります。

不正咬合を早期に探知して成長期をとらえて正しい顎顔面の成長を促し、永久歯列咬合がが健全に完成することを目標にしています。
また、その気を逃しても機能矯正コンセプトを生かして理想に近づけた歯列咬合を完成させます。
そのために第一段階では、硬組織に変化をもたらすような機能矯正装置を使用していただくことがほとんどです。

成人機能矯正

この方法ではその人の顔立ちは「より自然になる」ので別人にはなりません。
いわゆる非抜歯矯正は6番を後方に押し下げることが多いので、また別の変化が起こりますが機能矯正とは治り方が全く違います。

何を選択されるかは患者さんのご希望次第

この記事の目的は抜歯をしたときには何が起こるかということを皆さんにお知らせするのが目的ですので、それを選ばれるか選ばれないかは皆さんしだいということになります。
ちなみに機能矯正後はこのように変化します。

機能矯正後

当院の機能矯正治療(矯正歯科)の詳細はコチラ

4抜歯矯正のリカバー

当院では4抜歯矯正後のリカバー治療を承っております。
どうするかと言うと抜いたところをまるまる元に戻します。
もちろん4抜歯の後遺症が出た方でどうしても治療したいと思われる方の限り実施しています。
その中で時にリカバー不能という症例にも出くわすことがあります。

一番多いのは抜歯後の場所を開けるのは嫌だと言われた場合です。
この場合は治療不能と言うよりお断りします。
なぜなら、無理だからです。
他に何かできないか、例えばフェイシャルマスクを使って前方けん引をしてみるなどやってみましたが、全く改善しませんでした。

4抜歯でいちばん問題が出るのは舌房が、つまり口の中で舌が収まっているスペースが舌の大きさより小さくなってしまっていることにあります。
外見上は頬こけであったり顔の下半分の萎縮感であったりですが、その原因は口腔そのものの体積の減少によるものなのです。
つまり治すためには減少してしまっている口腔の体積を基に戻さなければなりません。

そのためには抜いた4番の位置を拡大して隙間を開けて、全体を膨らませるようにしなければなりません。
欠点としては結局抜いたところが欠損となってしまうため、何らかの方法で補綴治療をすることが必要になることです。

矯正界の権威:JonMew先生

この方はイギリスの著名な歯科医John Mew先生です。
お顔を見ればなんとなくわかりますが、Mew先生は子供時代に抜歯矯正をされ、その後さまざまな不快症状に悩まれ、その結果抜歯をして縮小方向に歯を動かす治療は間違いであると結論を出し、オーソトロピクス理論を打ち出し実践されている先生で、機能矯正の理論的創始者ともいえる先生です。
これは6歳から8歳の間に額の成長を促進し、不正咬合を事前に防いでしまう矯正法です。
方法論は少し異なりますが当院の機能矯正とほぼ同じ理論です。

先生の説によれば、子供のころに不正咬合になることを予測しながら、何もしないで不正咬合を完成させてしまうのは間違いととなえられております(この主張でヨーロッパ矯正学会はMew先生を処分したそうです。)。
これこそは機能矯正の基本的なコンセプトであり、当院の矯正治療の根幹をなしているものです。

確かに6歳から機能矯正を始めるとお時間はかかりますが、大変良い結果を出すことが観察されております。
先生のお写真では中顔面の萎縮が明らかです。

また、中顔面の萎縮が顕著で呼吸に障害が出ていることが予測されます。
おそらく小児期に口呼吸傾向があったものを不正咬合が完成するまで放置し、それが抜歯をして歯を並べるというオーソドックスな矯正治療をしたのでしょう、私は直接Mew先生の門下ではありませんが。

ちなみに当院はドイツのビムラー先生の流れを汲んでいます。
多くの点で一致があります。
おそらくはMew先生もビムラー先生も影響しあっていたのでしょう。

世界中に多くのお弟子さんがおられ、日本でも生徒さんが活動されていますが、適応年齢が7~8歳が上限と限られているので、当院では直接適応はしていません。
ですが目指しているところは同一であり、その理論は簡単な思い付きでできたものではなく、矯正界では古典とも言えるものを支柱としているとはお知りおきください。
主流の矯正界からは天敵とも目され、ヨーロッパ矯正学会とは対立関係にあるようですが。

まとめ

抜いた歯は元には戻りません。
何で歯並びを治したいのかわかりませんが、歯を抜くという選択をする場合は当然それによるマイナス面もあるわけですから、抜くことによって得られるメリットと抜いたことにによるデメリットを比較して、メリットが上回ると判断した場合のみに抜くという判断を出すべきでしょう。
そこの判断がどうなんだろうと首をかしげることがしばしばあります。

また、一度縮めた歯列をまた来た道を戻すわけですから歯にいいとは言えない面もあります。
おひとりですが、その方はうちに来られる前にすでに抜歯した後具合が悪くて、今度は横に広げられてまたまた具合が悪くなった上に前歯の間が隙間だらけになってしまい、しかも縦方向には狭いままで体調の悪さか続いてたまらず当院を訪れたかたがおられて、いろいろ手を尽くしてかなり状態は改善したのですが、今度は奥歯に原因不明の痛みが発生しやむなく治療を中断したという方もいました。

何事もない歯を抜くというのは、それによって大きなメリットが得られればいいですが、見た目的なことからの判断とかであるなら、もし不快症状が出れば完全に元に戻すのは難しい場合もあると言うことは覚えておいていいと思います。

最近知ったのですが実力派女優の波瑠さんは抜歯矯正をしているんですね。
顔から言ってなるほどと思います。
また、抜歯矯正して成功を収める方もいますが当然のことと思います。
人間は多様性の生き物ですから。
その多様性を見極め適切な治療法を選び患者さんに提案できるのが医師の務めかと思います。