2018-9-13
歯科医師の本音矯正治療(歯科矯正)の料金について
自費治療と保険治療の費用の違い
良く聞く話ですが保険治療の料金に比べて自費になると急に高くなるといわれます。
まず基本的なおさらいをすると、保険治療というのは治療費の7割から9割を保険者といわれる組織が患者さんに代わって支払っています。
患者さんはそのために保険者に対して保険料を納めています。
保険治療について
通常保険というのは、納められた保険料より支払った保険金が少なくこの差が保険業者の収益になるわけです。
ところがほとんどの保険者は支払う保険金のほうが多く、どこの保険者もいつ破たんしても不思議ではない綱渡りの運営が続いているといわれています。
※ちなみに世界で健康保険があるのは日本だけで似た制度があるのはドイツだけです。
日本と海外の治療費比較
アメリカではオバマケアと言われる保険制度が作られましたが、これは民間保険会社と国家機関との融合で制度も利用法もとても煩雑といわれています。
その他各国の状況により社会福祉の一環として条件を満たした人に医療費の一部または全額が支払われるものや、まるっきり医療は自己負担という国まで様々です。
今では一部の国の人がわざわざ日本に一時滞在の資格を取得して、国民健康保険に加入して、ガン治療などの超高額医療を受けにくるなどの行為が横行しています。
このように保険治療は有意義なものの、保険者の財政状況(国家予算からの補てんを含む)がひっ迫しているため、特に歯科では充分な資金的な手当てができず、保険の無い諸外国に比べて同じ治療をした場合の医療費はものによっては10分の1という治療もあります。
例えば根管治療(歯の根の治療)の場合、世界的には一根管50,000円~100,000円といわれていますが、日本では健康保険の保険料で一根管5,000円くらいで日本と海外では10~20倍の差があります。
コンポジットレジン充填(白い詰め物)が世界的には一歯20,000円くらいといわれていますが、日本では3,000円~5,000円、価格差4から7倍と実は桁違いに日本の歯科の医療費は安く抑えられています。
しかも患者さん負担はその3割程度ですから安くて当然なのです。
価格が安い日本はとても良いことですが、患者さんにはできれば実態をご理解頂ければと思います。
日本の自費治療の費用設定
自費治療は基準が無くだいたいの相場はありますが各医院の裁量によって決められています。
松下幸之助が「値決めは命」と言ったといわれていますが、心血を注いだ商品でも誰も買ってくれなければ開発費も職員の手当も払えないわけで、利用者の方が「これなら買ってよいと思う価格」と提供する側が「採算がきちんと取れる価格」の整合を見つけて値決めをするという事が仕事を続けていくための生命線となります。
自費治療に関してもこれと同じことがいえ、努力して培った技術を「患者さんがこれなら受けたいと思う価格」と「材料費、人件費、光熱費、減価償却費を支払って医院が経営していける価格」というのを考えた末、治療費を決定しています。
保険治療は治療費が国により国民が利用しやすいよう一律で設定されている上、患者さんが支払われるのは0~3割ですから安いというのはある意味当然な話で、全額自己負担となる自費治療が高いと感じるのは当然ですが、実は「クリニックによる料金設定」が世界標準になります。
当歯科医院の自費治療費
当歯科院では矯正治療や審美歯科、インプラント治療などの自費診療の料金はすべて公開していますので、治療のご相談にお越しの際には料金表をご確認の上ご来院くださいませ。
時々いらっしゃるのですがご相談をお伺いして「ところでいくらですか」と聞かれ値段をいうと「え゛!!そんなに高いんですか?!」と言われる方がいらっしゃいます。
料金表をご確認の上お越しいただければ、このようなことを避けられ、無駄なお時間が削減できますのでご確認の上ご相談頂けますと幸いです。
矯正治療(自費治療)費用
矯正治療は伝統的に着手の時に治療費がかかり、その後調整毎に調整料がかかるという構成になっています。
何故か歴史的にどの矯正でもこの方法です。
逆に言うと他の料金体系の医院は生き残っていないと言う事かもしれません。
「値決めは命」ということかもしれません。
医院によって様々で最初に一括で料金を納めて、後は無料という歯科医院もあります。
※クリニック側からすると、一括支払いの場合は、日矯正の調整の患者さんだけ20人入っていたとするとその日は忙しかったのに売り上げは0と言う事になります。
正直この場合はクリニック経営は厳しくなります。
後述しますが当院では調整毎に調整料を頂いております。
矯正治療機能矯正治療の費用
当院の機能矯正治療は料金体系がやや変わっています。
「機能矯正」と「バイオプログレッシブ」の2段階の治療を取っているため、それぞれの着手時に治療費を頂いております。
診断料:税別35.000円
機能矯正の生命線は診断にあります。
※主体はビムラー分析でこの分析にコンピューターを使うのですが、今のところアウトソースしています。
内容は
口腔内写真
模型の印象
パノラマレントゲン写真
ビムラー分析のためのセファロレントゲン写真
お顔の写真(正面、側面)
で、所用時間30分程度(、分析の結果が出るまで約一週間です。
料金の支払いは分析当日になります。
第一段階治療費:税別300.000円
診断が出てどのような道筋で治していくかが決まりましたら、治療プランに適応した機能矯正装置を製作します。
診断のご説明をさせていただき治療が確定しましたら、第一段階の料金(税別300.000円)をご精算いただいて装置をご準備します。
※当院の自費治療はご料金をご精算頂いてからの治療になります。
※機能矯正装置(機能矯正)での治療が中心となります。
第二段階治療費:税別300.000円
第一段階が進捗して骨格的な問題が解決してきたら歯を整える治療に進みます。
※機能矯正装置のみでも治療が完了する場合は第一段階だけでも問題ありません。
第二段階では方法は基本的にバイオプログレッシブをとりますが患者さんの状態で定型は無いともいえます。
※小児機能矯正では主に側方歯の交換が始まる次期成人機能矯正では、「これで歯を整えれば治癒に向かう」と確信が持てたときに第二段階へ進みます。
毎月の調整費:税別0円~5.000円
矯正治療は設定した方法で治療の進捗をみながら、概ね月に一回調整を入れていくことで治療を進めていきます。
機能矯正装置の調整やバイオプログレッシブのワイヤーの交換を行います。
※治療の内容に関わらず税別5.000円。
※治療の必要上、月にもう一度ご来院頂きたい場合がありますが、その場合は税別3.000円頂いております。
※3回目以降は頂きません。
※装置の使用に伴う、やむを得ない修理、使用法が間違ったための修理は都度見積もりでお支払い頂いております。
リテーナー費:最大税別10.000円程
治療が終了してきれいな歯並びとなった以降、その歯並びを維持し、さらに咬みあわせ等を安定させていくためにはリテーナーが必要になります。
※意外と皆さん見落とされていますが、この段階で歯が並んでしまったら後は何もしなくていいと思いがちです。
歯並びは日々変化しており、不正咬合があった人は治ったように、いえても元に戻ろうとする傾向が強くあります。
リテーナーは治療の結果を維持進展させるためにとても重要です。
アライナー矯正の費用
アライナー矯正は簡単な歯並びの修正には有効な治療法ですので、当院でも症例によってはアライナー矯正をお勧めする場合があります。
アライナー矯正は悪い歯並びの状態の模型を作り、模型を切り分けて正しい歯並びに近づけ、再組立てし、そこに熱可塑性のシートでアライナーを作り、口の中に入れてアライナーの弾性で歯を動かすのがアライナー矯正です。
アライナーの素材によりますが一度に動かせるのは0.2ミリ程度ですので、1ミリ歯を動かすのに5枚のアライナーが必要になります。
ここでアライナー矯正の実態と誤解されている方のためにご説明させていただきます。
時々いらっしゃるのですが、ワイヤーでは治せないがアライナーなら治せると思われている方がいます。
これは全く間違いで、ワイヤーで1か月で治るところアライナーは3か月かかるというくらいの見当で良いかと思います。
また、アライナー矯正は使ったアライナーの枚数で料金が変わりますので、あまり枚数がかさむと高額になってしまう点をご理解ください。
スマイルトゥルー矯正の特徴と費用:税別400.000円程(20枚)
スマイルトゥルーとはアメリカのDrスキップ・トゥルートが開発したアライナー矯正です。
「アライナー矯正の元祖インビザラインを改良した」といわれたもので、本来の特長は「症例を難易度によってレベル1~4に分類しアライナー矯正に可撤式の矯正装置を併用して治す」というものですが、日本ではアライナーのみの部分レベル1と2のみが供給されています。
インビザラインと同じく初診1回の型取りで治癒までのアライナーを制作してしまうものですが、1段階ごとに3Dプリンターで制作した模型ごと納品されてきます。
1枚のアライナーで動かせる距離は0.2mmで変わりません。
初診の診断はアメリカの分析センターで行われ(税別20.000円)、結果はコンピューター上で提示できます。
料金はアライナー1枚当たり税別約15.000円ですが、一括納品のため診断に基づき見積もりを提示し良ければ制作着手となります。
アソアライナー矯正の特徴と費用:[1パターン上か下片方]税別20,000円 [上下同時]税別38,000円
アソアライナーはインビザラインなどの一括制作のアライナー矯正が枚数が多くなると、どうしても誤差が生じ後半で合わなくなってくるという欠点があるのを改善した治療法で、1枚アライナーを使う毎に型取りをして都度設計をしていくというものです。
※初診段階での診断料はかかりません。
都度のアライナー印象時に料金をお支払いいただくことになり、治るまでまたは御納得いただけるまで治療を行います。
最終的な治療費が終わるまで分からないので確実に数枚で終わると言う症例ではほかの矯正よりお安くなります。
まとめ
自費治療の料金は医院の裁量で決めており各医院によって同じ治療でも料金も体系も異なります。
それだけ自由度が大きく良いものにであれば保険治療では得られない結果と魔族度がえられます。
もちろん逆もまた真です。
自信がある医院では高めの設定となり無い医院では安い設定となる傾向があります。
「安い」といって飛びつかず、「高いけどただのボッタクリ」というクリニックがあるのも事実のため、たいへんだと思いますがいろいろご検討の上主治医院をお決めください。
当院の機能矯正治療(矯正歯科)の詳細はコチラ