なぜ歯医者が嫌いですか?

今日は歯医者が嫌いという話をしましょう

 

なぜ歯医者が嫌いですか?

 

世の中過剰と思われる仕事の3巨塔が

歯医者

美容院

接骨院

と言われています。わたしはこの中で一番弱いのは歯医者だと思っています。

なぜなら

髪は必ず伸びてくるから美容院は定期的に行かなければならない。

接骨院でマッサージしてもらうと気持ちいいからまた行きたくなる。

それでは歯医者は?

歯医者は世の中で行きたくないところ

ダントツの一位

それと虫歯はあると困るが治してしまえばそれで終わり。

つまり

3過剰の中で資源が有限なのは歯科だけなのです。

そのうえ

日本人が行きたくないところダントツの一等賞歯医者なのです。

資源が有限なうえに行きたくないところ一位とは何とも情けない限りです。

 

そのわりに潰れないのも歯医者の特長かもしれませんね。

美容院や接骨院はたびたび見なくなることもあります。

が歯科医院はあまりなくなることがないように思います。

 

幸い日本には健康保険制度があるので

全くお客さん負担の美容院さんや

患者さん単価の低い接骨院さんよりは経営が楽なのかもしれません。

ま、最近はそうでもなくてちょいちょいなくなる歯医者もあるようですが。

 

と言う事は歯医者嫌いをなくすことができればもっと歯医者に通いたい人が増えて

過剰感はなくなってくるのかもしれません。

歯科医の中にもそれに気づいていて

何とか歯医者嫌いを減らそうと頑張っている先生もいます。

かく言う私もその一人で

何とか歯科嫌いを減らそうと微力ながら頑張っているわけです。

 

さて

ではなんで歯医者が嫌いになるのでしょう?

 

まず切削タービンのキーンと言う音

それから最近は使わなくなりつつありますが、フェノールを使う事によるあの独特のにおい

それと何よりも治療の痛み

これが歯医者の嫌われる3大要素と言われています。

 

ひとつ気が着くことはありませんか?

 

この三大要素のどれも

虫歯治療するときに発生するものなのです。

つまり虫歯にならなければ何も歯医者を恐れることは無いことになります。

もちろん歯医者嫌いになる一番の原因は治療に伴う痛みです。

歯は脳に近いため歯の神経の痛みは身体の他所の箇所に比べて耐え難いと言われています。

要は虫歯にしなければ治療の必要はないわけですから歯医者が怖くなる要素は無いわけです。

治療に来なければ何も恐れることは無い。

虫歯のない人ははあまり歯医者が嫌いではないようです。

では歯医者嫌いいつ生まれるのか?

私たちが歯医者嫌いが多いなと感じるのは50代ぐらいの方です。

これは歯医者嫌いで歯科医院を拒否し続けていたものの

さすがに虫歯の痛みに耐えられなくなったり、歯が無くて物が咬めなくなって

止むにやまれず歯科治療においでになって歯医者嫌いとして認識されているのがこの年代ということなのではないでしょうか?

歯科の来院年齢をグラフにすると2つ山ができると言われています。

ひとつは8歳から12歳くらい

もう一つが50歳の近傍。

これは推測ですが

この一つ目の山が歯医者嫌いを作り出しているのでは無いかと思っています。

一つ目の山はもうお分かりだと思いますが

学校検診です。

6月くらいに全校生徒が一斉に検診を受け治療勧告書が渡されて歯医者で治療をして

学校に完了報告書を提出するというあのイベントです。

一昔前は検診のシーズンになると待合室が子供であふれたものでした。

今は歯医者が過剰になり行きやすくなりましたが

昔は歯医者の予約を取るのが大変でしたよね。

それでやっと行けたと思うと大混雑で

いやいや口を開けると問答無用で歯を削られる。

しかもやたらと混んでいる。

しかも痛い。臭い。たいした虫歯があるわけでも生活に支障があるわけでもないのに

キンキン歯を削られる。

嫌なんだけど勧告書が来ているのでハンコがもらえるまで通わなくてはならない。

良い要素が一つもありませんよね。

これで歯医者が好きになれと言うほうが無理な話です。

治療が終わったはずなのにまた翌年になると勧告書が来る。

また同じことがループして義務教育がおわると勧告書から解放され

「もう金輪際歯医者に行くもんか」と強く決断して

歯医者の入口にすら近づかなくなる。

・・・・

これが歯医者嫌いが生まれるストーリーです。(私の推測ですが)

いかがですか?

 

いつも思うのですが学校検診と言うのは無くていいんじゃないかと。

せめて統計のデーターベースにするだけにして

治療勧告書は出さなくてもいいんじゃないかと。

 

なぜなら学校検診はみんなで苦労して結局日本人の歯医者嫌いの源泉になってしまっていると思われるからです。

歯医者が嫌いにならないためには治療をしなければいいと冒頭で書きましたが

治療勧告書が来ているから本人には選択権が無いわけです。

そして歯医者嫌いの一番の問題点は

 

治療だけではなく予防も嫌いになる

と言う事なのです。

ま歯医者そのものが嫌いになるのだから

歯医者でやることすべてが嫌い

というのはわからなくもありません。

 

当然予防しないのだから歯は悪くなります。

そして金輪際行かないと決めていた歯医者にしぶしぶ行くことになります。

するとなんと悪くなっていたのは学校検診で嫌々治したあの歯だったりします。

 

さっき検診の時期になると歯医者が混んでと言いました。

混めば治す側の手が抜けますから

治療の質も悪くなります。

中には治さなくてもいいはを削られていることまであります。

それが悪くなって痛みを出したりして

決意もむなしく再び大嫌いな歯医者に行く羽目になります。

そして治療が終わると

「やれやれひどい目に合ったもう金輪際来るもんか」

とやりっぱなしにします。

そしてまた別の歯が痛みだし・・・という無間ループが始まります。

 

この歯が痛みだすのがだいたい50代になってからが多いのです。

 

とうぜん予防をしないのだから次から次へと歯が悪くなりますし

我慢を重ねて治療を遅らせるので重症化しています。

 

歯医者が嫌いな人はなにか自分が悪いような

後ろめたさを持たれているのではないでしょうか?

しかし私に言わせれば歯医者嫌いを作っているのは行政であり

施行している歯科医なのです。

歯医者嫌いを作ってしまうことの罪深さは

「予防嫌い」を併発させてしまうしまうことです。

予防をしなければ治しても治しても悪くなってしまいます。

歯医者に金輪際行かない、と言う事は現実的には不可能です。

 

怖いのは治療ではありませんか?

予防をしっかりやれば

「治療を金輪際やらない」ことは可能になります。

歯医者が嫌いなのは貴方が悪いわけではありません。

しかし自分の歯を守るのはあなたの決断にかかっています。

嫌いな歯医者に飛び込んでください。治療でなくて予防のために。

あと、すでに歯医者嫌いになってしまった人のために

当院ではなるべく痛まない治療に心がけています。

と言ってもできることも少ないのですが

精一杯

アライナー矯正(3)

アライナー矯正について

着脱装置を使用した機能矯正をやっていると「このまま装置だけで治せないか」というご希望にしばしば遭遇します。
機能矯正装置は主に顎骨の成長を促したり左右非対称を改善したりするもので歯を並べる能力を持っていません。
従って機能矯正装置で骨格的な問題が解決しても歯列不正は残ったまま、または、子供さんの場合だと歯が萌出する場所的な問題が解決しても曲がったままで生えてきてしまう事もよくあります。

そこで歯列をきれいにするためにはおなじみのブラケットワイヤーが必要になります。
歯のねじれや角度の狂いは正確に調整のできるブラケットが最も適しているからです。
ごく例外的に機能矯正装置だけできれいな歯列が完成することもありますが10人のうち一人二人ですね。

それもたいていは6歳くらいからはじめてこつこつ治療をすすめた人で、一年二年機能矯正装置を使ってきれいさっぱり治ると言う例は見たことがありません。

中にはある装置を使えばなんでも治ると主張している人もいますがどうなんだろう、と思ってしまいますね。
できないことに希望を抱かせて結局裏切ってしまうより、最初からいちばん難しい覚悟をしていていただいて結局それより軽くすんだと言うほうが患者さんの満足度は高いように思うのですがどうでしょうか。

さてそこでアライナー矯正です。
ブラケットを全く使わずに歯をきれいに並べられる着脱装置はアライナーくらいしかありません。
前回、老舗のインビザラインと新進のアソアライナーの二種類のご説明をしました。
どちらも一長一短がありますが、今回説明するSmiileTRUというシステムはいわばインビザラインとアソアライナーの中間を行くようなシステムです。

商品のキャッチは今までにない画期的なんですが、そこまでは言い過ぎかもしれません。
インビザラインに似ていて初診一度型取りで最終までのアライナーを作成しますが、決定的に違うのは3Dプリンターで実現化した模型の上でアライナーを作り、それを模型ごと納品してくれるという点です。
つまりアライナーをなくしたり壊したりしても模型があるので再制作できるのです。

欠点は価格でアライナーが5~6枚程度で終わるケースでは割安になりますが、もっと枚数のかかるものでは逆に割高になります。
また枚数のかさむ難しいケースでは、初診一回の型取りではさすがに難しく、途中で型取りと計画の見直しが必要になることがあるということです。

どちらにしても強制的に歯を動かせるブラケットワイヤーに比べて、アライナーは歯にかかる力が弱く動き方も緩慢で即応性はブラケットワイヤーに代わるものではありません。
ただ矯正治療でいちばんのネックとなる歯にブラケットを付けると言う事が回避できるのでアライナーなら矯正治療をやってもよいという患者さんが少なからずいらっしゃいます。

SmileTRUのもう一つの特徴は診断と設計をアメリカの矯正専門医がやっていると言うことがあり、一つの安心材料ではあります。
もともとアメリカでもセレブの間ではブラケット(あちらではブレースと言います。)を使わないで矯正を完結させるというのがステータスだそうで、脱着装置で治療を完結できるアライナー矯正は選択肢として大きいようです。

実際機能矯正で大きな問題を解決してしまえばあとはアライナーで仕上げるのもありでというわけで、当院のスタッフの場合はまず機能矯正で治せるところまで治してその後SmileTRUで治療を続けて完治に至らせる流れになりました。

これが機能矯正終了時のお口の中です。

前回投稿の初診時写真と見比べていただければかなり良くなっていることが観察されると思いますがまだきれいな歯列というわけにはいきません。

このあたりが機能矯正装置の限界ですがここでワイヤーを使えればわけもなく治せてしまいます。
それがダメと言う事でSmileTRUを使いましたが

ここまで治すことができました。

すこしクラウディングが残りましたが問題になるようなものではなくご本人もいたって満足されていました。

第一選択ではありませんがご希望によってはこのような選択肢もあるということです。
アライナー矯正をお考えの方も機能矯正と組み合わせることでかなり治療幅は広がりますのでご相談ください。

 

アライナー矯正(2)

アライナー矯正について

さて前回の続きです。

通常機能矯正で治療が終了し、あとは歯が並べばよいと言うところまで来たらバイオプログレッシブメソッドで歯列矯正をしていきます。

ところが、さあ後半に入りましょうと言う段になってブラケットワイヤーを絶対使いたくないという要望をだされたのです。

これは少々参りました。バイオプログレッシブは理論はともかく実践面ではブラケットとワイヤーを使うからです。

機能矯正装置は歯をきれいに並べきる能力は持ち合わせていません。

ごくまれに機能矯正装置を使っているうちに歯がきれいに並ぶこともあります。

ただこれはとてもラッキーなケースでとこにこの人のように重篤な歯列不正を伴っていた場合、これをきれいに仕上げる能力のある装置はありません。

ブラケットワイヤーを使わないで歯列を整える能力のある矯正技法。
可能性のあるのはアライナー矯正でした。

アライナー矯正とは

透明の熱可塑性シートを模型上で歯をセットアップした状態で制作して、矯正の進捗とともにアライナーを交換していくというものです。

古いところでは「インビザライン」というものがありドクターにマニアのような方がいるようです。

ただこれは開発当初なかなかうまく行かなかったようでAAOの機関紙に供給会社から
「ケースの見極めをしっかりやってください。」
という文書が掲載れているのを目にしたことがあります。

「インビザライン」の特徴は初診のときにひとつ印象を取るだけで、完治までのアライナーをすべて制作して一括納品してくるという点にあります。

その間の診断や治療途上のセットアップはコンピューター上で行うのですが、その作業をやっているのは会社のオペレーターで必ずしも歯科医師ではないようです。

インビザラインを熱心にやられている先生は、この途中の経過を詳細に検討し細かい修正を出して納得がいってから制作にからせるそうです。

インビザラインは当院では対応していません。

この方法の欠点はあまり込み入ったケースをやると途中で口の中の状態とアライナーが合わなくなってしまうと言う事があります。

その場合はその時点からまた設計をやり直すことになります。

最近はアライナーブームであちこちの会社が出していますが、理屈は一緒ではに一定のテンションをかけ続ければ動くというものです。

ですから歯列が乱れている人に正しい歯列のテンプレートをかぶせれば、正しい歯列になるというものでその時に歯が動くスペースをどうやって作るか、アライナーの材質や一回に動かす量はどれくらいにするか、また動かしていくプロセスは一括でやってしまうか、都度診断でやっていくかというようなことで各社の違いが出ています。

当院で使っているアライナー矯正の一つがアソアライナーというものです。

その名の通り矯正技工所の大手ASOインターナショナルが開発したもので、開発はオーストラリアの矯正の大家デレク・マホーニー先生がやられたそうで、私はマホーニー先生ご本人のセミナーでこのシステムの勉強をしました。

このシステムの特徴は、一つのステップを終了した後印象を取りなおして都度診断をして次のアライナーを制作する。それを重ねて行って治癒に導くというものです。

先ほどのインビザラインが初診一回の印象で、完治まですべてのアライナーを制作してしまうのに対し手間はかかりますが、インビザラインが途中でもくろみ通りに治らなかったときに行き詰ってしまうのに対し、そのような失敗は起こらないという利点もあります。

ただし治療にかかった時点では、何枚のアライナーで治るかが見通せずということは料金がはっきり出せないという欠点があります。

当院でアソアライナーをやるときは都度払いにしていただいて、患者さんの経済事情と治り方を図りながら治療をするという手法をとっています。

軽い不正咬合の場合は廉価に治せるという利点があります。

さて、今お話ししている患者さんの場合、ここまで機能矯正で下準備はでき、あとは歯列を整えるところまで来ていましたが、ブラケットを着けるのがいやだと言う事でアライナー矯正を選択することとしました。

今回はインビザラインアソアライナーのお話をしましたが、次回いよいよケースに戻って症例を見ながら進めていきす。

アライナー矯正(1)

今日は新しく表紙に出てもらった人の経過のお話をします。

表紙に登場してもらったのは矯正治療をしながら当院に所属していたスタッフです。

当院に来たときはこんな状態でした。
正直あまり笑わない子という印象でしたが口の中を見せてもらって
「ああなるほど」
と納得しました。

すぐに気が付くのは左上の2番が食い違いになっている、ということです。

次にわかるのは歯列の幅径が狭いということです。

じつはこの二つは関連していると思われ、まず側切歯が生えたとき、つまり6~7歳の時すぐにクロスバイトが出現しこれが原因で側方歯が生えるまでに顎の横への成長が阻害されて、きちんとした歯列が形成されなかったと考えられました。

機能矯正では通常永久歯の生えてくるところをつかまえながら、不正咬合になるのを防いでいくわけですが、このようにすでに不正咬合になってしまった方の場合
「この不正咬合はなぜ発生したのか?」
という考察から治療法を編み出していきます。

そのためには様々な資料を収集して、現状の把握と分析、そしてもし不正が発生しなかったらどのような状態になっていたかという分析を行い、正しい形になるべく近づけるには何が必要かを考察します。

おそらく歯列矯正と最も違うのはこの現状認識と治療のためのプランニングのところと思われます。
今回のケースの場合、どこに行っても抜くと言われたそうですが小臼歯抜歯が適応か否かは側貌を見ればわかるわけです。

おでこを前髪で隠しているのでわかりにくいですが、よく見ると、顔の中央部がやや陥凹していると観察されます。
小臼歯抜歯をすると中顔面は縮小しますから、小臼歯抜歯すればますます陥凹悪化して顔貌が崩れてしまいます。

この時の口の中はというと

というような状態です。
確かに抜いて並べたくなるのも分かる気もします。

陥凹顔貌の原因は右側切歯の食い違い咬合にあります。
前歯が後ろ側に押し込まれているため健全な成長が阻害されているのです。
抜いて並べると言う発想はこの後ろ側にある側切歯に全体を合わせると言う事になりますから、歯は並んだとしても顔貌はさらに悪くなり、何よりも今でさえがきちんと口の中に納まっていないのに、さらに口の中が狭くなったら舌はどこに行けばいいのでしょうか?

良く抜歯をしないと
「ゴリラのような顔になる」
という事を聞きますが、それは強引に歯だけを前に送り出せばそうなります。

私の主張でいえば機能矯正は歯列矯正ではありません。
歯列矯正は最終段階で仕上げとして出てはきます。

ちゃんと歯列も整えなければ治療といえません。

機能矯正部分が終わった途中経過はこうなります。

余り表示すると術前術後の比較と言われそうですがこれはあくまで途中経過です。
まだ完全ではありませんがかなり良くなりましたね。

ここからはいよいよ歯列矯正の出番となりますが、やることは歯をそのまま並べればいいだけでそんなに難しいことをやる必要はありません。

まだ術後ではありませんがゴリラ顔になりましたか?

窮屈なところに閉じ込められた歯を開放してあげたというのが治療の大筋となります。

余り気づかれていませんが、咬みあわせが悪いと体のいろいろなところに不具合が出ます。

どこがダメならなにという完全なケーススタディはできていないのですが、分かりやすいところではかみ合わせに起因する顎関節症
異常咬耗を伴う人の全身の不調感
歯ぎしりをする人の肩こり
などはよく経験します。

機能矯正で咬みあわせが改善した方でいえば、少なくともどこも悪くならなかったとか、なんだか快適になった、ということはよく聞かせていただきます。

さて、いよいよ歯列を仕上げていくことになりますが、なんとブラケットやワイヤーは使いたくないという要望がありました!

さてどうする?

シュガーコントロール有効な予防歯科か?

今日は私の考える予防歯科についてお話ししましょう。

 

○○が身体に悪いから食べるのを止めましょう!

という健康法はなぜか日本人にとても受けるようです。

この○○にいろんな食べ物を入れて検索をかけると

たいがいの食べ物が引っかかってきます。

 

いちばん有名どころは砂糖と肉ですね。

すき焼きを喰う人はみな短命なんでしょうか?

 

まあ砂糖虫歯の原因になるというのは

有名な話で砂糖ストレプトコッカスミュータンスによる不溶性グルカン(つまり歯垢)生成能は議論の余地はありません。

ところがグルカンを生成しない果糖でもう蝕は発生します。

 

またアメリカやヨーロッパ諸国では日本人の3倍もの砂糖を摂取しているのにう蝕率は日本人の3分の1という統計も知られています。

 

この違いに実は思い当たる事実を発見しています。

 

日本とアメリカヨーロッパの人の予防行動の決定的な違いは

 

「日本人はフロスを使わない」

 

ということです。

 

これは臨床家として長年虫歯治療に当たっていて

 

「永久歯列の人の虫歯は圧倒的に隣接面から発生している」

 

という事実に行きあたったのです。

 

フロスなんか使わなくても毛先みがきや音波歯ブラシを

使えば歯間のプラークなんか除去できるはず

という思い込みはブラッシング指導に口腔内カメラを導入して

見事に打ち砕かれてしまいました。

全く磨けないのです。

 

そして歯間をきちんと清掃するにはデンタルフロスが必須である

と言うことが数年口腔内カメラを使用した予防処置で判明してきます。

そこで驚いたのは大半の患者さんがまた高齢になるほど

フロスの使用に激しい抵抗を示すのです。

つまり日本の歯の予防の概念に「歯の間を磨く」という情報が欠落しているのです。

 

この事実はおそらく日本人は砂糖の摂取量が欧米人の3分の1で虫歯の数が3倍という係数の根拠となるものと推測しています。

 

虫歯予防したいなら

 

デンタルフロス」を普及させることの方がはるかに有効だと思います。

 

そもそも今の世の中で

「甘いものを全く摂らない」

という生活が可能だと思いますか?

 

昔と違って今は虫歯の原因にならない

しかも毒性のない甘味料がかなり出回ってはいますが

昔はそもそもシュガーフリーだった

昔というと

昭和30年代から40年代にかけて

かなり危険食品添加物が多く出回っていたみたいです。

 

終戦後完全に物がないと言う時代を抜けはしたものの

まだいろいろな物資が完全には戻っていないと言う時代

その上朝鮮戦争が終わって高度経済成長期に入って消費が活発になりはじめ

たためか、甘味料に関してはかなり人工のものが多かったようです。

 

サッカリンは今でも時々見られますが

発がん性の疑いで禁止になったチクロという甘味料もありました。

 

砂糖はもともと植民地だった台湾やフィリピンから運ばれてきたもので

太平洋戦争で南方からの物流が途絶えた日本では砂糖が高価で品薄だったようです。

 

そこでサッカリンズルチンという人工甘味料が多く用いられ

中でもチクロという人工甘味料は味が良く

このころ流行った粉末ジュースはチクロで作られていたそうです。

ズルチンは知りませんがサッカリンは甘いことは甘いのですが

味の基幹が苦味でありサッカリンで味付されたものは苦くてまずいものでした。

それに比べチクロ砂糖よりうまかったと言われ

私も子供のころによく飲んだ粉末ジュースはとてもおいしかったと記憶しています。

昭和45年にチクロが発がん性と催奇形性で禁止になり

世の中に「全糖」という表示があふれかえると

なぜかこのB級の菓子類がとても気が抜けたような味になって行ったのを覚えています。

 

もちろんチクロサッカリンズルチンに齲蝕原性はありません。

ではこのころの子供に虫歯が少なかったか?

 

そんなことがないのは虫歯が昭和30年代が40年代にかけて国民病と言われ

現在の歯科大乱立と歯科医師過剰の遠因になったことを考えると容易に理解できるでしょう。

人工甘味料の全盛期と虫歯の罹患の全盛が重なっていると言う事は虫歯の多発とが必ずしも砂糖の摂取のみが悪いのではないのではないか

という考察になるわけです。

 

要は磨き方

また磨くタイミングと頻度なのではないか

 

私の予防歯科はそんな考察から

効果的な歯磨きとは何かを考えた結果

お伝えしているものなのです。

 

気になる方は予防をご指名でお出で下さい。

予防に力を入れています。

今日は予防歯科についてお話ししましょう。

ニコデンタルクリニックでは予防に力を入れています。

歯を治す=虫歯を削って何か詰める被せる。この行為は一見治療行為のように思えます。
ところが痛くなったらすぐ来ましょう。を実践されてこつこつ歯医者に通った人の口の中がどうなるか・・
奥歯は全部銀歯になり、糸切り歯から前は安物感が漂うプラスチッキーな歯が入る。そしてその後も痛くなったらすぐ来院
今度は銀歯の根元が腐って抜歯、そこに両脇の歯をつなげてブリッジというのが入ります。
次はブリッジがくさり歯をいちどに数本抜く羽目になり義歯になって・・・
これが痛くなったらまじめにこつこつ来院される方の通る道です。
一生懸命通院した結果が安物のプラスチックバネ付入れ歯というのはどうですか?
問題は、痛くなった時には、体の一部が溶けてしまっている、ということなのです。
溶けてしまえば、なにかでつぎをあてないきゃなら無い。そのつぎはぎの部分を治療と呼んでいるのです。
からだをまもり接ぎの歯をなくすためには歯が溶けるのを防がなければならない。つまり
「痛くない時に歯医者に行く」という時間軸を前倒しした考えが必要なのです。
これが「予防歯科」です。
歯医者が嫌いな方にとって虫歯もないのに歯医者に行くいうのはとんでもないことと思われるかもしれません。
特に50代前後の女性の方に多いようですが歯医者には金輪際行かないと心に決めておられる方がいるようです。
まあそれも虫歯の予防ができていればいいのでしょうが
たいていの場合歯医者嫌いの方は予防苦手
という法則性があります。

歯医者に行かない

歯磨きもしない

歯が痛くなる

我慢する

いよいよ痛くなる

我慢する

遂に限界になる

致し方なく目についた歯医者に転がり込む

適当で痛い治療を受ける

何とか治るがもう二度と歯医者に行かないと心に誓う

スタートにもどる

このループのどこが問題だと思われますか?
この人は延々応急処置だけを受け続けているのです。
応急で治療を始めて痛い思いをして治療が終わって
ほんとは早く治したほうが良いのにその歯が終わったら通院を止めてしまう。

せっかく治ったとしてもそれはその歯が虫歯から免責になったということを意味しません。
かぶせ物をした歯は天然の歯より抵抗力が弱いですから
より注意深いメンテナンスが必要になります。

虫歯の無間ループから抜け出した方が今回っているループは

定期検診の時期が来る

予約を取って

ゆっくり歯医者を受信する

痛むところ壊れたところはありませんと伝える

お口の中を点検する

現状の歯磨きなどの問題点を見つけ指導お口の清掃を受ける

一本も削ることなく終わりスタートに戻る
いかがでしょうか?
虫歯で来院されているわけではないので
削ることはありません。
痛いこともありません。
しかもこのサイクルをちゃんと繰り返す限り
歯を削る必要はないのです。

これが予防歯科です。

当院では予防のために専用のユニット(マシーン)を用意しました。
従来の長音波スケーラーもパワーフィードバック機能付となり
、 さらに歯の狭い生え際や間を無理なくきれいに 磨けるエバチップを使用できる往復運動型ハンドピース、
エアジェットでパイナップルの香りの水溶性粉末を 歯に吹きつけしつこいヤニや歯の黒ずみもピカピカにできる「ポラリス」
さらにさらにお口の状態をゆっくり見ながらご説明できる、大型モニター口腔内カメラまで、
考えられるほとんどの予防機材満載しました。
しかも低反発シートを使用し至高のすわり心地です!

運用するのはもちろん当院のベテラン衛生士です。 治療が終了した方はもちろん、予防だけをしたいという方も是非おいでください。 治療の終わった方はもちろん、点検したい、治療は終わっているから予防だけしたいという方も歓迎です。 是非おいでください。

お子さんの治療

今日は当歯科のお子様の治療のコンセプトについてお話ししましょう。

ニコデンタルクリニックは、お子様の健康な成長にコミットメントしています。

当院では基本コンセプトとして「抑制」による治療は行いません。

治療が怖くて歯科治療ができない大人の方を多く問診
してみると、子供のときに「抑制」による治療を受けた経験のある方が多くいらっしゃいます。
連携心療内科の先生に所感をうかがったところ「幼児期にうけた治療の恐怖感で、その後一生歯科治療が受けられなくなることは充分ありうる。」
とのご意見をいたたきました。

小児歯科では抑制がその後の歯科治療恐怖につながることはないと主張する人もいますが、これは私の臨床実感とは著しく異なります。
当院では通常治療が必要なお子様の場合、少しづつ慣らす、という根気の必要な手法をとります。

しかしながらごく稀に緊急やむを得ず嫌がっていても大規模な治療を行わなければならない場合があります。
このような緊急の治療が必要な場合、通常は抑え付けて治療をするというのが小児治療の常識です。しかしこれは例外的処置にすべきで
抑制が場合によっては取り返しのつかない歯科治療への潜在的な恐怖心を植えつけてしまう場合がある
のです。すべての場合とは言いませんが、可能な限り幼児期の歯科治療への潜在的な恐怖心の植え付けは、その後の一生を考えるなら避けるべきです!
どうしても抑制をしなければならないほど広範で大規模な歯科治療が必要な場合なんらかの沈静処置つまり全身麻酔、またはそれに準じる心に傷を残さない処置が必要と考えています。
しかしながら小児の全身麻酔は大変難しいので専門機関に任せなければなりません。
最近は少ないですが子供が虫歯だらけになってしまったらやはり大学病院などにお任せするほうがいいと思っています。
また抑制などの緊急避難手処置は通常は行われないはずの処置であると言う事は覚えておいて方が良いでしょう。
歯医者が嫌いな子に虫歯のない子はいません。
歯医者嫌いは肝心な予防ができないからです。

何よりも予防に努めいまどき虫歯などによる緊急は起こされないようにしっかり予防してください。方法は懇切丁寧にご指導いたします。

☆⇒子供を歯医者嫌いにさせない最大のポイントは、徹頭徹尾「無痛治療」に心がけることです。

もっとも最善の策は虫歯にしないことですが無痛治療を根気良く繰り返し、痛くない体験を重ねることによって、歯の治療への恐怖心そのものを無くす努力をしています。
したがって、治療がなかなか進まないように思えることもあります。
しかし、結果的には治療初期で根気強く歯科への恐怖を断ち切ることが、その後の歯科疾患激減させ、時間的金額的なロスを省くこととなるのです。

フッ素を使用した、う蝕予防、も御相談下さい。

ただし、カリオロジーのメカニズムから考察し、シーラント
はう蝕の再石灰化を阻害することが懸念されるため、適応は慎重になおかつ接着が完全にできる協力が得られる場合に適応することとしております。
シーラントなどより高濃度フッ素ペースト等を使用した再石灰化促進をお勧めします。
ペーストは窓口で販売しております。

乳歯は大人の咬合を完成させる、とても大事なガイド役をしています。
また、乳歯列不正は、その後に続いてくる永久歯列の重大な不正を予見しています。
一生自分の歯で咬めるためには6、7、8歳の三年間までにしっかり予防を行い、かみ合わせに不正の兆候があれば機能矯正を行い,健康な永久歯列に橋渡しを行うことが不可欠です。

健康な成長は健康な乳歯から

仕上げ磨きや食餌指導などお子様の歯に関してお気軽にご相談ください。

歯間磨きの勧め

川越にある歯科 ニコデンタルクリニック 院長です。

今日は予防には欠かせない歯磨きのお話をしましょう。

歯ブラシ指導をしているといつも思います。
みなさん一生懸命歯を磨いてらっしゃるなと。
皆さんも「自分は頑張って歯磨きしているから
今さら点検しなくても磨けているはず
と思ってませんか?
じつはこの「磨けているはず」と言う思い込みがとても危険なのです。
お読みになっている皆さんの中には
磨いても磨いても虫歯になる
とお嘆きの方もいるのではないでしょうか。
なぜでしょう?
砂糖のとりすぎでしょうか?
面白いデーターがありまして、
アメリカ人はとても甘いものがお好きなようで砂糖の摂取量は
日本人の5倍と言われています。
ところが虫歯の罹患率は5分の1程度と言う事。
ま、アメリカは健康保険制度が無くて(最近はオバマケアと言う制度で一部あるらしいですが)虫歯一本10万円~50万円治療費がかかるらしいので
予防も真剣になるのでしょう。
日本の歯磨きとの一番の違いはどうも歯の間をかなり真剣に磨くらしいのです。
ハンナモンタナという歌手で有名なマイリーサイラスが小学生から高校生の間
主演を務めたディズニーチャンネルの全米的人気ドラマで
私も一時はまって見ていたのですが
少なくとも2回メインのトピックがデンタルフロスという回を確認しています。
たぶん1シーズンに一度は歯医者関連のトピックが主題になった回があるものと推測できました。
しかも一回はフロスにミントが付いているかどうかという話題
私たちにはほとんどついていけない話で詳細は忘れてしまいましたが
こんなことがドラマのテーマになるんだと言うのを感心したのを覚えています。
なぜ歯の間を必死に磨くのかというと
実は大人の虫歯はほとんどの場合ほとんどが
歯の間から発生するのです。
さすがに虫歯にしたらえらいお金がかかると
歯磨きも半端なく必死なんですね。
翻ってわが国ではどうでしょうか。
日本には世界に冠たる健康保険制度があります。
どこの国に行っても健康保険があると思っている方がたまにいらっしゃいますが
がそんなことはありません。海外で住んでいる人がちょっとした病気やけがで病院に罹ってその高額なことに腰を抜かすと言う話を良く耳にします。
歯の治療も健康保険の範囲で治療しているといたいしてお金はかからないと言うイメージではないでしょうか。

前に歯なんか虫歯にしといて詰めたほうがお金がかからないと言って
歯磨きをほとんどしないおじさんがいたこともあります。
最近は子供の虫歯も自治体の補助で負担金がかからないため
お子さんの虫歯予防に来られてたお母さんが
お友達から
なんで予防なんかしてるの?
と聞かれたそうです。

 

そんな方達は例外として皆さんたいへん頑張って歯磨きをしておられます。

当院では必ず染め出しをして
歯磨きの状態を確認しています。
またそれを一本づつ写真で撮影して患者さんなお見せして一緒に予防法を考える
と言う事にしています。
すると良くわかるのが
皆さんとにかく歯の間が磨けていない
と言う事なんですね。
大人の虫歯でとてもよくあるのが
ある日突然何かが取れたと言って来院されて
お口の中を診させていただくと
ある歯の間に虫歯がある
それが気が着かない間に進行してとうとう外壁が崩れてやっと気がいた
というパターンです。
虫歯と言うのはごく幼少期を除いて
ほとんどすべて歯の間から発生します。
(幼少期の虫歯は歯の溝から発生しますが。)

歯の間から進行した虫歯は気が着いた時には重症で
神経の治療をしなければならないことがほとんどで
神経の治療をすると結局かぶせ物をして治さなければならなくなります。
早期発見早期治療の落とし穴は
来院した時にはすでに虫歯になっており
できることは歯を削って神経をとって
金属かプラスチックのかぶせ物を入れるだけということになります。
早期発見
早期治療
だからです。
医科系の病気のように早期に発見すれば全く元の状態に戻るのであれば
これもいいかもしれません。
しかし
歯は一度虫歯にしてしまうと完全に元に戻ると言う事は無いのです。
早期にできた虫歯を発見(何もしないで重症化させてしまうよりはもちろん良いですが)
してもそれはすでに歯の一部を失った状態
と言う事もできるわけですから
虫歯にしてしまった時点ですでに手遅れと言う事も
出来ようかと思います。
これを何度も繰り返していると
口の中はどんどんかぶせ物だらけになっていきます。
40代から50代の患者さんで
当院に来られた時にはすべての奥歯が銀歯
前歯がプラスチックという方がとても多いです。
これを防ぐためには歯の間を磨くことに慣れなければなりません。
当院では口腔内写真で現状を把握していただいて
歯間磨きを含めた予防法をご指導していくことによって
虫歯の発生を有意に減らすことに成功しています。
虫歯になりたくない方は是非当院をお尋ねください。
保険治療で対応しております。

虫歯予防に一番大切なことは歯の間を磨くことなのです。

歯の間を磨くにはデンタルフロス又は歯間ブラシの使用に慣れることが大事です。
使い方をご指導いたしますので是非当院の予防歯科をお尋ねください。