今日は歯医者が嫌いという話をしましょう
なぜ歯医者が嫌いですか?
世の中過剰と思われる仕事の3巨塔が
歯医者
美容院
接骨院
と言われています。わたしはこの中で一番弱いのは歯医者だと思っています。
なぜなら
髪は必ず伸びてくるから美容院は定期的に行かなければならない。
接骨院でマッサージしてもらうと気持ちいいからまた行きたくなる。
それでは歯医者は?
歯医者は世の中で行きたくないところ
ダントツの一位
それと虫歯はあると困るが治してしまえばそれで終わり。
つまり
3過剰の中で資源が有限なのは歯科だけなのです。
そのうえ
日本人が行きたくないところダントツの一等賞が歯医者なのです。
資源が有限なうえに行きたくないところ一位とは何とも情けない限りです。
そのわりに潰れないのも歯医者の特長かもしれませんね。
美容院や接骨院はたびたび見なくなることもあります。
が歯科医院はあまりなくなることがないように思います。
幸い日本には健康保険制度があるので
全くお客さん負担の美容院さんや
患者さん単価の低い接骨院さんよりは経営が楽なのかもしれません。
ま、最近はそうでもなくてちょいちょいなくなる歯医者もあるようですが。
と言う事は歯医者嫌いをなくすことができればもっと歯医者に通いたい人が増えて
過剰感はなくなってくるのかもしれません。
歯科医の中にもそれに気づいていて
何とか歯医者嫌いを減らそうと頑張っている先生もいます。
かく言う私もその一人で
何とか歯科嫌いを減らそうと微力ながら頑張っているわけです。
さて
ではなんで歯医者が嫌いになるのでしょう?
まず切削タービンのキーンと言う音
それから最近は使わなくなりつつありますが、フェノールを使う事によるあの独特のにおい
それと何よりも治療の痛み
これが歯医者の嫌われる3大要素と言われています。
ひとつ気が着くことはありませんか?
この三大要素のどれも
虫歯を治療するときに発生するものなのです。
つまり虫歯にならなければ何も歯医者を恐れることは無いことになります。
もちろん歯医者嫌いになる一番の原因は治療に伴う痛みです。
歯は脳に近いため歯の神経の痛みは身体の他所の箇所に比べて耐え難いと言われています。
要は虫歯にしなければ治療の必要はないわけですから歯医者が怖くなる要素は無いわけです。
治療に来なければ何も恐れることは無い。
虫歯のない人ははあまり歯医者が嫌いではないようです。
では歯医者嫌いはいつ生まれるのか?
私たちが歯医者嫌いが多いなと感じるのは50代ぐらいの方です。
これは歯医者嫌いで歯科医院を拒否し続けていたものの
さすがに虫歯の痛みに耐えられなくなったり、歯が無くて物が咬めなくなって
止むにやまれず歯科治療においでになって歯医者嫌いとして認識されているのがこの年代ということなのではないでしょうか?
歯科の来院年齢をグラフにすると2つ山ができると言われています。
ひとつは8歳から12歳くらい
もう一つが50歳の近傍。
これは推測ですが
この一つ目の山が歯医者嫌いを作り出しているのでは無いかと思っています。
一つ目の山はもうお分かりだと思いますが
学校検診です。
6月くらいに全校生徒が一斉に検診を受け治療勧告書が渡されて歯医者で治療をして
学校に完了報告書を提出するというあのイベントです。
一昔前は検診のシーズンになると待合室が子供であふれたものでした。
今は歯医者が過剰になり行きやすくなりましたが
昔は歯医者の予約を取るのが大変でしたよね。
それでやっと行けたと思うと大混雑で
いやいや口を開けると問答無用で歯を削られる。
しかもやたらと混んでいる。
しかも痛い。臭い。たいした虫歯があるわけでも生活に支障があるわけでもないのに
キンキン歯を削られる。
嫌なんだけど勧告書が来ているのでハンコがもらえるまで通わなくてはならない。
良い要素が一つもありませんよね。
これで歯医者が好きになれと言うほうが無理な話です。
治療が終わったはずなのにまた翌年になると勧告書が来る。
また同じことがループして義務教育がおわると勧告書から解放され
「もう金輪際歯医者に行くもんか」と強く決断して
歯医者の入口にすら近づかなくなる。
・・・・
これが歯医者嫌いが生まれるストーリーです。(私の推測ですが)
いかがですか?
いつも思うのですが学校検診と言うのは無くていいんじゃないかと。
せめて統計のデーターベースにするだけにして
治療勧告書は出さなくてもいいんじゃないかと。
なぜなら学校検診はみんなで苦労して結局日本人の歯医者嫌いの源泉になってしまっていると思われるからです。
歯医者が嫌いにならないためには治療をしなければいいと冒頭で書きましたが
治療勧告書が来ているから本人には選択権が無いわけです。
そして歯医者嫌いの一番の問題点は
治療だけではなく予防も嫌いになる
と言う事なのです。
ま歯医者そのものが嫌いになるのだから
歯医者でやることすべてが嫌い
というのはわからなくもありません。
当然予防しないのだから歯は悪くなります。
そして金輪際行かないと決めていた歯医者にしぶしぶ行くことになります。
するとなんと悪くなっていたのは学校検診で嫌々治したあの歯だったりします。
さっき検診の時期になると歯医者が混んでと言いました。
混めば治す側の手が抜けますから
治療の質も悪くなります。
中には治さなくてもいいはを削られていることまであります。
それが悪くなって痛みを出したりして
決意もむなしく再び大嫌いな歯医者に行く羽目になります。
そして治療が終わると
「やれやれひどい目に合ったもう金輪際来るもんか」
とやりっぱなしにします。
そしてまた別の歯が痛みだし・・・という無間ループが始まります。
この歯が痛みだすのがだいたい50代になってからが多いのです。
とうぜん予防をしないのだから次から次へと歯が悪くなりますし
我慢を重ねて治療を遅らせるので重症化しています。
歯医者が嫌いな人はなにか自分が悪いような
後ろめたさを持たれているのではないでしょうか?
しかし私に言わせれば歯医者嫌いを作っているのは行政であり
施行している歯科医なのです。
歯医者嫌いを作ってしまうことの罪深さは
「予防嫌い」を併発させてしまうしまうことです。
予防をしなければ治しても治しても悪くなってしまいます。
歯医者に金輪際行かない、と言う事は現実的には不可能です。
怖いのは治療ではありませんか?
予防をしっかりやれば
「治療を金輪際やらない」ことは可能になります。
歯医者が嫌いなのは貴方が悪いわけではありません。
しかし自分の歯を守るのはあなたの決断にかかっています。
嫌いな歯医者に飛び込んでください。治療でなくて予防のために。
あと、すでに歯医者嫌いになってしまった人のために
当院ではなるべく痛まない治療に心がけています。
と言ってもできることも少ないのですが
精一杯